事例紹介「エンジニア採用・現地法人設立」

2020年6月24日、株式会社調和技研の中村社長に「バングラデシュ人エンジニアの採用、現地法人の設立」に関してインタビューしました。

■企業のご紹介

株式会社調和技研
代表取締役 中村 拓哉 様

株式会社調和技研は、札幌・東京・バングラデシュにオフィスを構え、高い専門知識を強みにAIの研究開発やコンサルティング業務を展開する、北海道大学認定のベンチャー企業です。

今後、労働力不足を背景にAI需要は増加傾向にあると想定されており、AI技術のオープン化による激しい市場変化に対応するため、高品質で実用性の高いAIサービスを、アジアを中心にボーダレスな展開を目指しています。現在、自社の持つAIエンジン(画像系、言語系、数値系)を、個社別にカスタマイズしたサービスによって、お客様の生産性向上や業務効率化に貢献しています。

また、2019年1月に、札幌商工会議所主催「北の起業家表彰」奨励賞を受賞、同年6月に、経産省「はばたく中小企業・小規模事業者300社」に認定されました。
株式会社調和技研

■バングラデシュ人エンジニア採用の背景

ーーバングラデシュ人エンジニアを採用しようと思った背景を教えていただけますか?

近年、AI関連のプロジェクトの引き合いが増え「AIエンジニアが常に足りない」と考えていました。その際に、取引先からバングラデシュ人エンジニアの採用について紹介され、興味を持ったのがきっかけです。

早速、BJITの採用担当と打ち合わせし「バングラデシュ国は人材が多く、AIエンジニアを採用できる」という事を知りました。そして、数日後に複数名の候補者とビデオ面接行いました。最終的に採用を決めた理由は「AI技術に対する好奇心が強く、当社で働く目標を語り、目をキラキラ輝かせた」エンジニアたちに、将来性を感じたからです。

ーー英語のコミュニケーションに不安はありましたか?

2009年の会社設立当初から、国籍を問わず外国人エンジニアの採用を行い、様々な国籍(韓国、ブラジル、中国、タイ)の社員が開発チームで働いているため、英語の問題は無かったですね。
プロジェクトやAI研究開発の内容も、海外の論文を参照することが多く、当初懸念していたよりも、言葉の問題は関係ないと感じました。それよりも『札幌発の多国籍企業』を目指し、「日本人メンバーが英語を話せるようになろう」という社内方針を進めました。

2018年入社のウッザルさん
AIシニアエンジニアとして活躍

■BJITを選んだ理由

ーーどうしてBJITを選んだか、理由をうかがってもよろしいでしょうか?

以前からエンジニアの現地採用、海外進出に興味がありました。しかし、対象国を選ぶ基準は「どこの国でも良いわけではない」と考えていましたね。バングラデシュを選んだ理由はいくつかありますが「国の潜在力の高さ」や「国全体の経済成長率」が目ざましく、さらに「IT政策の”デジタルバングラデシュ”」を知り、IT事業の成長性を感じたからです。

その一方で、バングラデシュは、少し前のベトナムと比較し「参入障壁が高い国」という印象を持っていました。いきなり現地進出するには勇気が必要だと感じていたわけです。しかし、BJITはバングラデシュで20年間のオフショア開発の経験があるので、現地の事を学びながら参入を進められる安心感がありました。それがBJITを選んだ理由です。

■ご担当のプロジェクト内容

ーーご入社したバングラデシュ人エンジニアの担当内容と特徴を教えてもらえますか?

【ウッザルさん】
2018年12月入社、札幌本社採用。
現在はバングラデシュの拠点でチームリーダーとして、画像系のAI開発プロジェクトを担当しています。AIの論文を読みながら、技術的な解決方法を見つけることができますね。例えば、Webで調べた内容をもとに、自分の意見として発信することが得意です。さらに、会社の経営についても考え、幅広く学ぼうとする姿勢や積極性があります。

【サダムさん】
2019年6月に入社、東京支社採用。
某自動車メーカーのAIプロジェクトを担当しています。技術的なレベルも高く、実践力もあり、早くも戦力になっていますね。明るい性格なので、社内の同僚から可愛がられるキャラクターです。

【ムナさん】
2019年6月に入社、東京支社採用。
サダムさんと同じく入社したばかりの新人エンジニアですが、自然言語解析の案件に従事し、着実に経験に積み重ねています。

調和技研に入社したバングラデシュ人のエンジニア
(左:ムナさん、中:サダムさん、右:ウッザルさん)

■採用後の効果

ーー採用後に何か変わったことはありましたか?

まず、社内の日本人エンジニアたちが、バングラデシュ人エンジニアの技術レベルの高さに驚いていました。新しく入社した彼らに啓発され、エンジニア同士での技術に対する競争意欲が高まっていることが、1つ目の効果です。
2つ目の効果は、バングラデシュとの取り組みを、様々なマスメディアに取り上げていただいたことによる自社PRの効果がありました。今のうちから海外に目を向けたユニークな会社という評価を受け、会社の事業戦略とマッチしてよかったと考えています。

ーー今後、エンジニアたちに期待することはありますか?

バングラデシュ人エンジニアたちには技術スキルをさらに高めて、指導できるレベルになることを期待しています。将来的に、バングラデシュの現地法人と日本を繋ぐブリッジエンジニアになってほしいですね。

2019年入社のムナさん
2019年入社のサダムさん

ーー続いて、バングラデシュでの現地法人の設立に関しても質問させていただきました。

■現地法人の設立までの流れ

ーー現地法人の設立を決めた理由を教えてもらえますか?

2019年1月、BJIT担当の勧めもあって、初めてバングラデシュを現地視察しました。
当初から、バングラデシュに会社を作る構想があったのですが、現地BJITオフィスの視察や、ダッカ市内の様子を見学したことで、設立のイメージや実感を得ることができました。それから、現地法人の設立を具体的に進めましたね。

単なるオフショアではなく、バングラデシュで30名程の人数規模でAI研究を行えば、世界的な注目度も高くなりビジネスを拡大できると考え、現地法人を設立しました。

2019年12月 集合写真
AI SAMURAI JAPAN Limited(バングラデシュ子会社)

■現地法人を設立後の状況、今後のプラン

ーーAI SAMURAI JAPAN Limited(バングラデシュ子会社)のご状況を教えてもらえますか?

現在、バングラデシュ子会社の社員たちは、日本側で切り分けたAIプロジェクトの一部をチームごとに分かれて担当しています。マネジメントしている日本人リーダーの評価も良好で、テレワークで対応できる組織体制になりつつあります。
コロナウイルスの問題で、プロジェクトの進捗が遅れてしまうことを想定していましたが、それほど大きな影響もないようです。

一年ぐらい時間をかけてプロジェクト遂行や社員教育を行えば、バングラデシュ人エンジニアたちの活躍や実績が増えると考えています。成功事例として世の中に見せられるようにしたいですね。

バングラデシュでの打ち合わせの様子